ドキドキして眠れない! 真夜中の動悸の原因は何?

体験談

布団に入り眠ろうとすると、心臓が脈打つような胸苦しさに襲われ眠れない。
安静にしているのに突然ドキドキして苦しくなってしまう……。

それは、もしかしたらプレ更年期(30〜40代)や更年期(40〜50代)に起こりがちな「動悸」の症状かも!?
自分ではどうにもならない更年期の不調やつらい症状の緩和、体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?

「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、漢方にまつわるさまざまな疑問に漢方の専門家がお答えしていきます。
今回は「更年期の動悸」をテーマに、薬剤師の二瀬偉志先生にお話を伺ってみました。

夜になると謎の胸苦しさに襲われドキドキ…睡眠不足で疲労困憊です

美智代さん(52歳女性)、販売業の方からご質問をいただきました。

最近、夜ベッドに入ってからの謎のドキドキに悩まされているんです。
横になっているのに、急にドクン、と心臓が脈打ったと思うと、ドドっと打ったきり心臓が止まったかのように感じてしまったり、突然ドキドキドキドキと猛スピードになったり……。
明らかに乱れたリズムなので、どこが悪いんだろう、私どうしちゃったんだろうと考えこんでしまい、夜も眠れません。
もしかしたら心臓が悪いのかとも思い、病院にも検査に行きましたが特に心臓に疾患も見つかりませんでした。
毎日長時間の立ち仕事で接客して、最近は嫌味なお客様のクレーム対応にも追われていたので、ストレスも溜っていたように思います。連日寝不足が続いているせいか、最近仕事中にだるさやめまいを感じることもあり、なんとか改善しなければと焦っています。このドキドキを抑える良い方法はないでしょうか

ご質問ありがとうございます。
突然ドキドキと心臓が脈打つようになってしまう症状を動悸といいます。運動中だけでなく、安静時でも起こることがあります。
特に夜眠る前の発作は睡眠不足を引き起こしてしまうことも多く、大きな悩みになりがちですよね。
今回のような症状は更年期の症状でよく見られます。更年期に起こる動悸の原因や改善方法についてお伝えしていきましょう。

ホルモンバランスと五臓の<心>のはたらきの乱れが動悸の原因


更年期の動悸は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少が原因と考えられています。
ホルモンバランスの乱れから自律神経系のバランスが崩れて拍動や呼吸をコントロールできなくなり、動悸や息切れなどの症状が引き起こされます。
また、ストレスや精神的要因で動悸を感じることもあります。

東洋医学では、動悸は心悸(しんき)といい、五臓の<心>のはたらきが乱れたときに生じると考えます。
ここでいう<心>には血液循環や精神活動をする役割があります。
心のエネルギーである心気と心の血液である心血の量的な不足、また、「気(生命エネルギー)」や「血(血液)」、「水(水分)」の巡りが悪くなると、<心>のはたらきに悪影響して動悸を引き起こしてしまうのです。

次の章ではこうした更年期特有の動悸の症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

つらい動悸の症状に効く改善&予防策と対処法

毎日の暮らしに軽い運動を

運動不足による筋力の低下は、動悸や息切れが起こる原因のひとつ。
日頃から、エクササイズなどの軽い有酸素運動で予防していきましょう。
激しい運動は、不整脈などがある人には危険な場合があるので、負担をかけすぎない程度を心がけてください。

良質な睡眠を心がける

自律神経の乱れは、動悸や息切れにつながります。
意識して質の良い睡眠をとることで、自律神経を安定させましょう。
就寝前には不安な気持ちにとらわれず、リラックスして深い呼吸を意識して見てください。

ストレスをためこまない

睡眠だけでなく、ストレスも自律神経のバランスに大きく関わります。
入浴、散歩、ストレッチなどを普段の生活に取り入れて、自分に合った解消法で動悸や息切れを改善していきましょう。

大豆イソフラボン(エクオール)をとる

エクオールは、腸内細菌によって大豆イソフラボンから作り出され、エストロゲンとよく似た働きをすることがわかっています。そのため豆腐や豆乳などの大豆製品に含まれるイソフラボンは、動悸の症状緩和が期待できます。サプリでもいいので取り入れてみましょう。

〈動悸が急に起きてしまったら…?〉

突然の動悸や息苦しさを感じたときは、まず呼吸を整えてリラックスし、深呼吸をしましょう。
吸うことよりも吐くことを意識することが大切です。ベルトやボタンを緩めたり、楽な姿勢で安静にすると良いでしょう。
また、動悸は心臓や肺などの病気のサインになっていることがあります。
ふらつきやめまい、胸の痛みがある場合は、早めに医療機関を受診してくださいね。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

つらい動悸の症状を改善するために、ホルモンバランスの乱れを和らげるホルモン補充療法を受けるという選択肢もありますが、不正出血や吐き気などの副作用やリスクを考慮すると不安を感じる、という方にオススメなのが漢方薬です。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方は、気や血の巡りを改善し、精神不安にも効果的な加味逍遙散(カミショウヨウサン)が効果的です。
水の巡りをよくし、めまいなどにも効果のある苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)を取り入れてみるとさらに症状の改善が期待できるでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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症状が起きたら、まずは深呼吸してリラックスしましょう

今回は、動悸に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきましたが、症状を和らげるには、まずはリラックスして深い呼吸をすることが大事です。
ストレスも動悸の原因になるので、毎日の生活の中でストレスをためないようにしましょう。
適度な運動と良質な睡眠をとり、自律神経を整えることも効果的です。

二瀬偉志

薬剤師、鍼灸あん摩マッサージ指圧師、化粧品検定1級、居宅介護支援専門員(ケアマネ)。 薬剤師の仕事に従事する傍ら、0才の息子の子育てに奮闘中。

プロフィール

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