気を失いそうなほどの頭痛と吐き気にゾワッ! 地獄の生理痛から卒業したい!

体験談

何だか頭痛がすると思ったら生理がきた、排卵前後は必ず頭痛がする……。
それは、もしかしたら「生理時の頭痛」かも!?
実は、多くの女性が悩んでいる月経時の不快な痛みは「腹痛」だけではありません。

自分ではどうにもならない生理時の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。

今回は「生理時の頭痛」をテーマに、神戸海星病院麻酔科の桐田泰江先生へお話を伺ってみました。

気を失いそうな頭の痛みと吐き気がつらすぎて…もう仕事も辞めたいです!

玲子さん(35歳女性)、アパレル勤務の方からご質問をいただきました。

十代の頃から生理痛がひどく、学校を休むこともたびたびだったのですが、成人して中年に差し掛かっている今も、周りの人が引くほど生理が重いんです。
特に、生理になって数日間はお腹の痛みだけでなく、何も考えられなくなるような頭の痛みで発狂しそうなほど!
しかも、痛みがひどくなると決まって吐き気も起き、実際に吐いてしまうこともあります。仕事柄、立ち仕事や接客も多いのですが、身体中の冷えと寒気、あまりの痛みにとても正気ではいられず、欠勤してしまうこともたびたびで、生理のたびに辞職を考えてしまう有様。
もちろん、感じのいい接客なんてできず、毎月数日間は泣きそうなひどい顔をして服を売っているので、お客様も全然私には話しかけて来ません……。
いったいどうしたらこの痛みから解放されますか?

ご質問ありがとうございます。
ずっと生理痛に苦しんでこられ、現在もお仕事にも影響が出てしまっているのこと、本当におつらいですよね。
今回は、生理時の頭痛の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

月経時の頭痛はエストロゲンの減少が原因!

月経時の頭痛は、女性ホルモンのエストロゲンが影響していると考えられています。
月経周期の中でも、頭痛が起こりやすいのは「排卵時」と「月経前」ですが、この時期に起きる急激なエストロゲンの量の減少が、セロトニンなどの神経伝達物質のバランスを崩し、神経に炎症が生じたり脳血管が拡張したりして頭痛が生じると考えられています。

東洋医学的な頭痛の原因としては、「不通則痛:通ぜざれば則ち痛む」とあるように、気(生命エネルギー)・血(血液)・水(水分)の流れが滞ることによって痛みが起きたり、「不栄則痛:栄えざれば則ち痛む」とあるように気・血の不足により痛みが生じたりすると考えられています。
月経時は、特に気血水の滞りが起きやすいので注意が必要です。

次の章ではこうした月経時期特有の悩ましい症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

月経時の「頭痛タイプ別」対処法&予防策

緊張性頭痛タイプ

〈対処法〉

1.肩・首まわりをマッサージ、ストレッチする

血流を良くすることで、凝り固まった筋肉の緊張がほぐれます。
首まわりの神経をストレッチしたり、肩をぐるぐる回す動きを行ってみましょう。

2.頭のツボ押しマッサージをする

頭頂部のほぼ中央、両耳の上端を結ぶ線と眉間の中央から伸ばした線が交差するところにある「百会」というツボの刺激がオススメ。
手の指で優しく刺激するといいでしょう。

3.筋肉(背筋、肩筋など)を温める

首や頭の筋肉の緊張をほぐせるように、蒸しタオルで首筋を温めることや、低めの温度でゆっくり入浴すること、アロマや入浴剤を取り入れることも効果的です。

〈予防策〉

1.睡眠、アロマ、入浴などでリラックス!

自分に合った寝心地の良い寝具を使うこと、リラックス効果のある香りや温浴効果を高める入浴剤で身体の芯からほぐし、翌日に疲れや身体のコリを残さないようにしましょう。

2.まあいいか、の精神でストレスを解消

なんでも生真面目に捉え、考えすぎるのは筋肉の緊張の原因に。ストレスを感じている時は自然と呼吸も浅くなりがちです。
一旦、深呼吸で気持ちを落ち着かせましょう。

3.ストレッチ&マッサージでコリをほぐす

緊張型頭痛は同じ姿勢のままでいると痛みが出やすくなります。
意識して筋肉をこまめにほぐしましょう。
仕事の合間に肩や首をまわしたり、軽い散歩で血行を良くしましょう。

片頭痛タイプ

〈対処法〉

1.痛い部分を圧迫する

エストロゲンの影響で、過度に拡張して知覚神経に触れている血管を適度しめることが重要です。
痛む場所を指でキュっと押し、血流を一時的に阻害してみましょう。

2.横になる

症状がひどくなる前に静かな暗い空間で横になり安静にしましょう。
片頭痛は緊張性頭痛と比較して薬剤の効果を得難い場合もあります。ひどくなる前に休むことが大事です。

3.カフェインを控える

コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェインの血管収縮作用により症状が軽減する場合もあります。
しかし、カフェインの摂り過ぎは逆に頭痛の原因にもなるため、ハーブティなども取り入れてみましょう。

〈予防策〉

1.頭痛ダイアリーをつける

片頭痛は緊張型頭痛とは異なり、リラックスしているときにも起こると言われています。
「いつ、どこで、どのような頭痛がどんなきっかけで起こるのか」という、自分の”頭痛のきっかけ”を記録して、きちんと知っておくことが大切です。

2.規則的な生活を心がける

休日は長時間の睡眠をとれるチャンスではありますが、睡眠時間が過度に長くなると脳血管が広がって痛みの原因にもなります。
休日も平日と同じ時間に起きる習慣が大切です。

3.刺激を避ける

刺激的な強い光や騒音、強い香りなども片頭痛が起こる原因の一つだといわれています。
神経質になりすぎない程度に、自分がどの刺激に弱いのか把握しておきましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

月経時の頭痛を改善するために、市販薬や処方薬に頼るという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方にオススメしたい漢方薬は、呉茱萸湯(ゴシュユトウ)です。身体の中心であるおなかを温め、「気」や「血(けつ)」の流れを乱していた「冷え」をとり除くことで頭痛を鎮め、痛みによる吐き気も鎮めてくれる効果があります。
また、慢性的な頭痛や頭重感が月経の時に酷くなる中年期以降の女性には釣藤散(チョウトウサン)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。

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毎日のケアで頭痛体質を改善しよう!

今回は、月経時の頭痛に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
女性の頭痛にはさまざまなタイプがあり、特に月経時に起こる頭痛は女性ホルモンの影響を受けます。
まずは自分の頭痛タイプや頭痛の頻度、痛みの特徴などを知り、普段の生活の中で気軽に出来る対策を今日から実践してみてください。

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