生理前の微熱のせいで夫に子どもを任せきり…ママ友の陰口に怯える日々!

体験談

生理の前になると熱っぽい、体がだるくてなんだか寒気がする……。それは、もしかしたら月経前症候群(PMS)による微熱の症状かも!?
実は、多くの女性が月経前に起こるさまざまな症状に悩んでいます。

自分ではどうにもならない生理時の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「生理前の微熱」をテーマに薬剤師の手塚智子先生にお話を伺ってみました。 

生理前の微熱でダウン! 育児放棄と思われていないか心配です

佳菜さん(34歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

数年ほど前から、なぜか生理の前になると寒気がして、微熱が出るようになってしまいました。最初は風邪をひいたのかな、などと思っていたのですが、生理が始まってしまえば熱が引くこともほとんどで、特に発熱以外の症状が出るわけでもありません。
ただゾクゾクとして関節が痛いような感じで体がだるくなるので、解熱剤を飲んでみたのですが全く効果なし。子どもの保育園の送り迎えに外に出るのもつらいので、最近は朝の送りも夫に任せてばかりです。
生理前の数日間から、生理痛がひどい1週間程度のこととはいえ、ママ友たちに「あの人、なんで朝起きられないんだろうね」とか「旦那さんが優しいのをいいことにサボってるんじゃない?」とか陰で言われていそうで怖いです。
子どもが遊んで欲しくてまとわりついてきても全然かまってあげられないのも可哀想ですし、なんとかしてこの症状が出ないようにしたいのですが、どうしたらいいのでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
微熱とはいえ、発熱するとだるさや寒気、関節の痛みなども出てつらいですよね。
今回は、生理前の微熱の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

微熱は「プロスタグランジン」の増加が原因

月経前になると微熱が出るのは、月経前に多く分泌される黄体ホルモン「プロゲステロン」の影響です。
このプロゲステロンには、子宮内膜を安定させ、基礎体温を上げる作用があります。
また、生理の時には子宮内膜から「プロスタグランジン」が分泌され、不要になった粘膜を血液とともに体外に押し出す働きをするのですが、プロスタグランジンは痛みや熱を産生する物質でもあります。
ストレスや冷えなどにより、このホルモンが過剰に分泌されることで、微熱が出たり、風邪をひいたときのような症状が出ることがあります

また、東洋医学では、月経の前は「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」が滞りやすくなると考えられています。特に、「血」が滞ることによっておこる「血瘀(けつお)」の状態になったり、「気」・「血」が不足することよっても発熱することがあります。

次の章では、こうした月経前の微熱に対する具体的な解決方法をお伝えしていきますね。

月経前の微熱を抑えるセルフケア3選

1.頭寒足熱を心がけましょう

熱っぽさでボーっとして体がだるいときには、下半身を冷やさないように温めつつ、頭部や額を保冷剤や市販の発熱用シートなどで冷やしましょう。
脇の下や首のまわり、足の付け根などのリンパの通る場所を冷やすことによっても微熱のつらさが緩和されるので、ぜひ試してみてください。
半身浴などで体を温めることも大事ですが、症状がつらくてお風呂に入れない場合は、ぬるま湯を浸して絞ったタオルで全身を拭くだけでもスッキリするでしょう。

2.自律神経を整える生活習慣を心がける

日常のさまざまストレスによって自律神経のバランスが崩れて、さまざまな月経前症候群(PMS)の症状を悪化させてしまいます。
ものの捉え方、考え方を変えるだけでも心が楽になることがあります。ご自身の心と体の健康を大切にして物事を捉えてみてください。
普段からバランスの良い食生活をしていると、自律神経も整います。特にビタミンやミネラル、たんぱく質を意識してとりましょう。

3.良質な睡眠をとりましょう

微熱や月経前症候群(PMS)の症状が出にくい体質に改善し、自律神経を正常な状態に整えるには、良質な睡眠が何よりも大事です。
良質な睡眠とは、時間の長さではなく、その質です。朝スッキリとした気分で起きられるように、深い睡眠をとって、脳と体をしっかり休めましょう。
寝る2時間前に食事をすませ、スマートフォンなどの画面を長時間見ることを避けましょう。覚醒作用があるブルーライトを浴びる時間が少なくなるだけでも、睡眠の質はぐっと上がります。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

月経前の微熱の症状を抑えるために、市販薬の服用やホルモン療法などに頼る選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、加味逍遙散(カミショウヨウサン)です。黄体期の基礎体温が高く、微熱以外にも頭痛や不安感など、月経前症候群(PMS)と思われる症状が多い方の症状を和らげる効果があります。
また、汗っかきで、口の渇きや脱水症状、ほてり感の強い方には、体の芯の熱を下げてくれる白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)もオススメです。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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しっかり休養を取って体を休めましょう

今回は、月経前の微熱に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
こうした症状の多くはホルモンバランスの変化によるものです。月経が始まって熱が下がるようでしたら、過度に心配せずしっかりと体を休めましょう。
また、月経前の微熱には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


手塚智子

大学院修了後、研究職に従事し漢方を学ぶ。その後、薬剤師として臨床で働く傍ら様々な接客業を兼業し、渡米。帰国後、体の内外にアプローチ出来ることを目指して薬剤師兼ビューティーディレクターとして就業中。

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