閉経したのに月経痛!?つらいお腹の痛みでモヤモヤする日々…

体験談

閉経しているにもかかわらず月経痛のようなお腹の痛みがある。お腹が張って重だるい感じがする……。
それは、もしかしたら閉経後世代(50歳以上)に起こりがちな「腹痛」の症状かも!?

そんな自分ではどうにもならない閉経後の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「閉経後の腹痛」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

閉経後の謎の腹痛が悩みの種…キレイになる努力もくじけそう!

美智代さん(54歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

閉経してからもう2年ほど経つのですが、いまだに月経時のような痛みや張りを下腹部に感じることがあり、なんだろうと不思議に思っています。
それに、更年期太りを解消するためダイエットをしているせいか、以前より冷えを感じることが増え、お腹をこわして便秘と下痢を繰り返すことが多くなったのも悩みの種です。
夫からは「もう老い先短いんだから今のうちにうまいものはたくさん食っておけ」などと叱られるのですが、私としては痩せてまだまだオシャレもしたいし、キレイだと言われたい!
生理が終わったからといって、女をやめてお婆さんになるのはいやなんです。でも、この繰り返すお腹の痛みにはちょっと辟易してしまって……。
先日も、みぞおちから下腹部、腰の方にまでこわばるような痛みがあり、お風呂で温まったら少し良くなったのですが、なんだか心配になってストレスが溜まる一方。
どこか悪いのかと思って婦人科で診てもらったのですが特に病気は見つからず、整腸剤を飲んでごまかしていますが、なんだか日々モヤモヤしています。
どうしたらこの不快なお腹の痛みを解消することができるのでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
閉経後の急速なホルモン減少により自律神経が乱れてしまうと、月経がなくてもお腹の痛みや不快な張りなど症状がでることがあります。
今回は、閉経後の腹痛の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

ホルモン減少による自律神経の乱れが腹痛の原因

閉経後にも関わらず月経痛や排卵痛のような下腹部の痛みや張りを感じるのは、閉経後のホルモンバランスの急激な変化に体が追いつかなくなるためです。
これにより、自律神経のバランスが崩れて血液循環が悪くなることで腹痛などの症状が現れます。
さらに、老化により腰まわりの筋肉が衰えることでも腰から腹部にかけ、鈍痛が起こることもあります。

また、東洋医学では「血(血液)」の巡りの悪化による「血瘀(けつお)」の状態になったり、それにより「気(生命エネルギー)」が滞ることでお腹の痛みが生じると考えられています。
次の章では、こうした閉経後の腹痛に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

閉経後の腹痛を和らげる3つのセルフケア

1.体を温め「冷え」を改善する

腹痛が起こりにくい体質にするためには、常に体を冷やさないようにすることが大事です。
入浴する時は、ぬるめのお湯にゆったりと浸かることで体を芯まで温め、入浴後はレッグウォーマーや腹巻きなどをして熱を逃さないようにしてください。
また、寒さを感じやすい冬はもちろん、夏場も体を冷やさないようにしましょう。
蒸し暑い外気とエアコンで冷えた空間を行き来することで自律神経が乱れ、腹痛につながることもあります。
冷房の設定温度を高めに設定したり、ストールや羽織るものなど、温度調節できるものを持ち歩くようにすると良いでしょう。

2.胃腸を冷やさないこと

喉が渇いているからといって、冷たい飲み物をガブガブ飲むことは、胃腸はもちろん、体全体の冷えにつながります。
せっかく手足を温めても内側から冷やしては意味がありませんので、飲み物はなるべく常温もしくは温かいものを摂るように心がけてください。
また、ネギや生姜、かぼちゃや玉ねぎ、レンコンなどの食材を摂ることでも体をじんわり内側から温めることができます。積極的に毎日のメニューに取り入れてみましょう。

3.ダイエットはほどほどに

更年期太りを気にされる方の中には、体調の落ち着く閉経後に気合を入れてダイエットに取り組む方もいらっしゃいますが、極端な食事制限や単品ダイエットは、体調悪化や老化のもとになります。
低栄養な偏食を続けることは、体や胃腸を冷やし、腹痛を悪化させることにもつながります。
間食や甘いものを控える、夜遅くに食事をしないことを心がけるなど、地道な努力を継続するようにして、無理なダイエットはしないことが大事です。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

閉経後の腹痛を改善するために、ホルモン補充療法を受けるなどの選択肢もありますが、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方にオススメしたい漢方薬は、大建中湯(ダイケンチュウトウ)です。
冷えが強く胃腸が弱い方の体を温め、「血」の巡りをよくしてお腹の痛みや膨満感を和らげる効果があります。
また、食欲がなく胃腸が弱い方の「気」を補い、巡らせることで体の水分循環を改善し、胃炎や腹部の痛み、下痢を緩和する四君子湯(シクンシトウ)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

あんしん漢方のサービス紹介はこちらをご確認ください。

症状が悪化する場合は迷わず病院で検査を受けましょう

今回は、閉経後の腹痛に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
閉経後にはホルモンバランスの乱れや減少によってさまざまな症状が出ることがあります。
軽い腹痛で、すぐに治れば問題ありませんが、ひどい痛みや出血などが続く場合は大きな病気の場合もありますので、病院で詳しい検査を受けることが大事です。

また、こうした閉経後のさまざまな症状改善に、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

関連記事